[ [ [ ぐるっとまわって1回転 7 ] ] ]
「……そりゃ、国から出るわな」
と、ゾロリが茫然とした表情で呟く。
ガオンは青筋を立てながら、激しく首を縦に振る。
イシシとノシシは怯えて互いに抱きしめあい、一応、メカイシシとメカノシシに守らせている。
そこは、ゾロリとガオンが作ったドーム状のスタジアム―――だった。
壊れるはずのない硝子が砕け散り、凶器となって大地に散乱している。太陽の光が乱反射して、どこまでも眩しい。その中でところどころから悲鳴やら爆発音やら、聞くだけでも痛々しい音が響いてくる。
結局師匠対決は、全員同時だったので決着がつかず。八人は豪華な昼食を味わっていた。そこに、近くのお城へ遊びに来たエルゼが顔を出したのだ。
「あら! ペペロ、久しぶり。
まったく、本当に可愛いわね。うーん可愛い可愛い可愛いわぁ。
これでも昔は一緒に女装したりして街に出たのよー! ね、ペペロー」
彼女はつくなり、夫と同じく猫の青年を抱擁愛撫接吻の嵐とグルーミング。ペペロの泣き出す様が哀れだなぁ、とその時はゾロリとガオンは笑っていた。
その涙の意味を理解するのは、もう少し後になる。
エルゼが帰ってしまうと、アーサーから不穏な空気が立ち上った。
誰もが止める暇もなく、アーサーはペペロに向かって護身用の棒手裏剣を投げつけた。猛ダッシュして逃げる弟子に迫り来る幾本の刃。しかもアーサーの攻撃は容赦がない上に途切れる間がなくて、ペペロはなんとか闘技場まで逃げて出入り口を塞いだところ―――
―――その強化硝子を、割って入ってきたのだ。
ミサイルでもどうにもならないはずなのに、アーサーは魔法の鏡と剣を使ってスタジアムに完全崩壊を齎した。落ちる硝子の雨は、何処に居ても撃たれれば致命傷ものだ。ペペロは東奔西走、右往左往しながら逃げに逃げた。ここで傷一つ負わないのは、流石アーサーの直弟子といえるのかもしれない。
そして一方的な攻撃は今なお続いている。
惨い。あまりにも惨い。
「……うちの国で雇うかな」
「そうしてやれ」
愛情の欠片もない師匠の仕打ちを目の当たりにして、二人の師匠たちはもっと弟子に優しくしなければなぁ、と検討していた。
おしまい。
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