[ [ [  オラたち、悪いことはしないだ。 2  ] ] ]




 
 数日後。

「オラたちゾロリ先生を裏切らないだっ」
「そーだ。裏切らないだっ」

 また昼下がりのレストランの一室で、ガオンと双子のイノシシたちが向かい合って座っていた。テーブルの上には二個のパフェが既に置かれている。パフェのアイスが溶けそうで溶けない―――心理作戦だ。

 この前は十個であんなに喜ばれたから…………どのくらいでこの二人はゾロリを売るのだろうな。

 ガオンは少し気になって、この機に試してみようと考えた。
 ぴんと人差し指を立てた右手を突き出す。イシシとノシシは分けが判らず不思議そうな顔をする。
「……一個」
と、説明してやると、二人は慌てて腕を組んでそっぽを向いてしまう。
「ガオンの言うことなんかきかないだっ」
「一個なんかでつられないだっ」
やはり無理か、と少し安心しながらガオンは指をもう一本立てた。
「二個だ」
ノシシは一瞬振り向きかけるが、イシシに目で注意されて慌てて顔を戻す。
「駄目だったら駄目だっ!
 もうオラたちゾロリ先生を絶っっ対に裏切らないだっ」
「そーだ、そーだっ! 二個なんか一個が二つだけだ」
ガオンはさらに指を追加した。
「…………では。三個だ」

「やったぁぁ! 三個あれば朝昼晩三食メロンパンが食べれるだー」
「いっぱいだー」



 *****

 次の日。
「あのなぁ。
 別にその、俺はお前とデートが出来てそれでいいんだが……。
 ……ぁああー、いや、教育について口出しするのはちょっとよくないとはわかっているんだが。わかっているが、やっぱり、気になるんで言わせてくれ。な。
 1と2の次がいっぱいていう概念はちょっとまずいと思うんだよな。
 それにその、メロンパンとオニギリ三個で売られるお前って……」
「うるせいやぁぁぁぁぁいっ!」



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